クリスマス…聖なる夜の物語



「若、明日は休みにするというのですか?」

「あぁ、明日はクリスマスだ。みんな休みたいだろう?」


若の部屋でそんな会話が交わされる。


「しかし、いきなりそんな事言われても…」

「大丈夫だ、俺が許可する!」

「わか…」


そんな簡単に…とタメがつぶやくが若の決心は固いようで

結局は休みとなった。


「若〜明日はお休みって本当なの〜?」


甘い香水が香る女性に囲まれてグラスを傾けていた若は


「あぁ、ごめんね、子猫ちゃん。うちのホストにもたまにはクリスマスを味わわせて上げようと思ってね」


にっこり笑いながら彼女の耳元で甘くささやく。


「それでは、しょうがないですわねぇ。では、若は明日はお1人なの?でしたらわたくしとごいっしょしませんこと?」


彼女からのそんなお誘いに他の女性もわたくしとご一緒にとの声がもれる。


「私もあなた方と一緒にいたいのですが、誰か1人を特別にと言うわけにはいけませんのでね」


本当に残念ですと声を落として言うと女性達は


「いいえ、私達がこんな事を聞いたのがいけませんでしたわ。ごめんなさい」


その場は丸く収まったが若は心の中で苦笑していた


(こんなことを言っておいて、明日女性と過ごすのは罪ですかね…)


若はこんな事を考えながらその日の仕事を終えた。





翌日、昼過ぎに起きた若はある家に向かっていた。

目的地である赤い屋根の家のドアをノックすると中から声が返ってきた


「は〜い、ちょっとまってくださ〜い」


どたどたと中から走る音が聞こえてドアが勢いよく開いた」


「メリークリスマス♪そんなに慌てると転びますよ」


失礼しますよと家の中に入る。


「ちょ、ちょっとー勝手に入らないでよー」


文句をいいつつ後をついてくる。


「知ってたか?今日はクリスマスなんですよ」

「知ってますーだ。っていうか来た時に自分で言ったでしょ、メリークリスマスって」

「あはは、そうだったな。ではこれはそんな君にプレゼントだよ」


若はどこからかプレゼントの包みを取り出す。

ピンク色の包装紙に真っ赤な大きなリボンが結ばれている。


「2回目ですが、メリークリスマス」



クリスマス…聖なる日のささやかな物語。